2016年9月12日
第47回創玄展 東京都知事 受賞作品
<作品評・宮田亮平>
「土くれ」ということばから想像する土の量を詩情的に表して、バランスの取れた書だと思います。
勢いからでしょうか、「土」がわずか「士」に見えるのが残念です。
横画への拘りを持ちながら余白が美しく響いてくる作品です。
封泥調の印が作品と合致しておりましてよろしいですね。
爆発するパワーを表しており、今後伸びていく将来性を買いました。
<受賞のことぱ>
第四十七回創玄展におきまして東京都知事賞を拝受いたし心より御礼申し上げます。私にとりましては余りにも大きな賞で戸惑うばかりでごさいますが、これもひとえに矢田桂雪先生はじめ諸先生方のお陰と深く感謝しております。
本格的な書の道を志し矢田先生に師事して早三十年、師に導かれながら基礎を学びやがて美の世界へいざなわれ、筆を持つことが楽しいそして嬉しい書一筋の毎日となりました。また師からは人としてあるべき道も折にふれ諭していただきました。自由で個性を尊重する玄游会の気風の中、恵まれた環境で育てられたこともありがたく思っております。
震災の翌日、表彰式は授与式として行なわれました。被災された方々のことを思うと複雑な気持ちでございましたが、石飛理事長先生より賞状をお受けした時の緊張と感動は生涯忘れることのできない私の宝物となりました。式を開いて下さった先生方のご配慮に感謝しております。
これからも暖かい家族の支えに助けられながら感謝の気持ちをエネルギーに代えて、努力を重ねてまいりますので御指導賜わりますようお願い申し上げます